漫画を描くには画力も必要ですが、ストーリーも重要です。いくら絵が上手くても、ストーリー性がなかったり話が破たんしているとせっかくの漫画が面白くなくなってしまいます。

漫画のストーリーは、「プロット」と呼ばれる台本のようなもので作ります。絵にするまえにストーリーを文字で書き出しておくのです。

プロットは作品の起承転結を考えるのに重要な作業です。小説のように具体的に書く人もいれば、簡単な骨組みを書く人、プロットを頭の中で組み立てる人とやり方は千差万別です。

漫画を描く上で展開や構成に煮詰まったらプロットを見直したり、物語の繋がりを自分で整理することができます。

基本的なプロットの書き方の例は

1、主人公が現れる(起)

2、主人公とキーパーソンの出会い(承)

3、主人公と悪役との対決(転)

4、主人公たちの勝利・別れ(結)

と、このように簡単でも構いません。

これだけでは不十分なら書き足せばいいですし、構想が膨らんだり逆にこの部分はいらないな、という物語の整理ができればよいのです。

プロットは言うなれば漫画の設計図です。例えば家も設計図なしにいきなり組み立てることはできませんよね。プロットを綿密に書けば書くほど漫画に起こしやすくなります。

しかしプロットに時間を多く割くわけにはいきません。大体の構想を書いたら、流れに矛盾や展開に無理がないか確かめた後、すぐに次の作業に移った方が良いです。

なぜなら、プロットの時点でコマ割りや構図が頭の中で膨らんでいるはずです。プロになるとプロットを飛ばしてネームに入る人も出てきます。いかに締切に間に合うかが勝負ですからね。

ネームについては次の記事で書きますが、プロットの肉付けという意味ではネームをササッと描けた方がいいかもしれません。

ですが何度も言うように、プロットは漫画の設計図です。そして、思いついた構想の断片を組み立てるために必要なものでもあります。

上記の例のようにメモ書き程度でも立派なプロットになります。起承転結のつなぎはネームや原稿への下描きで膨らませていきます。

逆に初心者はプロットに時間をかけた方がいいかもしれません。なぜなら漫画に起こす作業に慣れていないからです。プロットが緻密だと、イメージが膨らませやすくなります。

頭に浮かんだ情景をそのまま漫画に起こすことができればこちらのものです。ネームとは別にその情景を練習がてら書き起こしてみましょう。

意外と難しく、思った通りに描けないかもしれません。でもそこは練習です。少しでも頭の中の構図に近付くように何度も描いてみましょう。ラフ画でも構いません。

プロットを書き終えたら、何度か読み返してみましょう。話の展開が急すぎたり、矛盾する箇所などおかしな点が見つかるはずです。見つからなければ話の筋は通っているので、そのまま次の作業のネームに取り掛かります。

おかしな点が見つかったら、プロットの練り直しが必要です。一か所修正すると、他の場面の筋が通らなくなったりしてきます。

完璧なプロットはありませんが、良いプロットはあります。漫画の骨組みとしてしっかりしたプロットを書ける、あるいは頭の中で組み立てられるようになりましょう。