晴れて漫画家デビューした!でもそれからの生活はどうなるのか?漫画家の生活は結構謎ですよね。

たまに漫画家自身が日常生活を描くことはありますが、細かいことまでは描かないことが多いのです。

そこで、今回はA先生とB先生という架空の漫画家を例に漫画家の日常を書いてみたいと思います。

まずA先生。デビュー3年目。連載を1本、月刊誌に描いています。

A先生は朝が弱いので、昼前に起きてきます。アシスタントは午後からきます。

起きてきて支度を整えたあと、ぼちぼちネームを描き始め、ぼちぼち原稿を仕上げていきます。

締め切りに余裕があるときはいいのですが、締め切り直前になると慌てて原稿を仕上げなければなりません。

朝も夜も寝ずに描き、一気に仕上げたりすることもままあります。いわゆるデスマーチに突入します。

どうしても間に合わずに原稿を落とす(休載)することもあります。

漫画を仕上げた後は泥のように寝ます。いつもギリギリになるので編集部からの評価はよくありません。

続いてB先生。デビュー十数年目、B先生は規則正しい生活をしています。連載を数本、読み切りもたまに描きます。

朝起きて支度をし、アシスタントもそれに合わせてきます。

締め切り前は多少忙しいですが、きちんと原稿を仕上げるので間に合います。

アシスタントもだいたい定時に帰れるので職場環境には満足しています。編集部からも評判が良く、読者からの人気も上々です。

さて、どちらが理想的かというと、もちろんB先生のような生活ですよね。ですがよく描かれるのはA先生のような締め切りに追われる生活です。

A先生のように原稿を落としたりすると、人気にも影が出てきてしまいます。休載ばかりで読者が離れていってしまうからです。

また、B先生のように規則正しい生活をしていても、筆が遅いとA先生のようなデスマーチになることも珍しくありません。それに、毎回すらすらとストーリーや構想が出てくるわけでもありません。

これからどう話を展開していこう?と悩むこともしばしばあります。せっかく考えた話が編集者にボツ(ダメ出し)を食らうこともあります。

中には何度もボツと書き直しを言い渡され、締め切りに間に合わなくなることもあります。どの漫画家もB先生のようにはいかないのが現状です。

朝が弱かったり、会社勤めが苦手な人には、漫画家の生活は夢のように思えるでしょう。しかし、不規則な生活は体を壊してしまいます。

漫画家は自営業です。ですから、人一倍自己管理が問われます。ダルいから今月分は休載~などもってのほかです。さらに読者からの人気が出なければ、すぐに連載打ち切りの憂き目にあいます。A先生の場合、連載が打ち切られたら次の仕事が来るまで収入がゼロになってしまいます。

このように、漫画家の生活は甘いものではないのです。体調不良でも描く気力がなくても机にかじりついて漫画を仕上げなければ、生活が成り立っていきません。