皆さんはカラー原稿をどう描いていますか?着色する画材は多数あれど、印刷される前提の漫画はどう描いているのでしょうか。

着色してから線画を描く人もいれば、線画を描いてから着色する人もいます。後者の方はインクと着色画材滲まないようにしなければなりません。

絶対に滲まない方法としては、やはりデジタル着色ですね。レイヤーを分けて描けば線画にも影響しませんし、色が気に食わなかったら何度でもやり直せます。

ですが、やはり手描きでないと出せない微妙な色合いがありますよね。また長年手描きでやってきたから、その方が馴染みがあるのでデジタルに移行しない人もいます。

まず、インクには耐水性と水性があります。ここの違いを分かっていれば、自ずと着色画材を何にするか定まってくるはずです。

耐水性なら水彩画でも滲みにくいですし、水性なら水性以外の画材を使います。

ある漫画家は原稿をコピーしてから塗るということをしています。なぜならコピーのインクはトナーと言って耐水性のものだからです。これなら滲む心配がありません。

コピックというペンタイプの着色画材もありますが、こちらはアルコール溶剤を使っているので耐水性でも滲んでしまうことがあるようです。どうしてもコピック!というときは、線画を後から描く方がいいですね。

線画を後から描く場合も前に描く場合も、必ずしておかなければならないのが「よく乾かすこと」です。これにより滲むのをある程度防ぐことができます。

また、線画ギリギリに着色して、滲まないようにすることもできますが、手間も時間もかかるのであまりお勧めできません。

このことから、カラー原稿は着色してから線画を描くのが無難でしょう。もちろん着色画材が乾ききってから主線を引きましょう。

その前に、水彩などで描く場合は紙の下処理が必要です。これをやっておかないと、乾いた時に紙が波打ってしまうからです。

「水張り」というのですが、板に紙を置き、刷毛などでまんべんなく紙を濡らします。その後余計な水分をタオルなどで吸い取り、テープ等で紙を固定します。この時紙がピンと張るようにしましょう。

そして紙が乾いたら色を塗っていきましょう。これで絵具が乾いても紙が波打ちません。

どうしてもインクが滲んで上手く描けないという人は、紙から見直してみましょう。紙によって水彩向きだったりインクの滲みが出やすいものがあります。

漫画に使う代表的な紙はケント紙です。水彩には向かないようですが、表面のキメが細かく主線を引く時には重宝します。そのままモノトーン漫画にも使えるので一度試してみても損はありません。

また、コピックや色鉛筆で着色する場合もありますよね。その場合はマーメイド紙が好まれる傾向にあるようです。

他にも水彩向きだったりコピックの発色が良い紙は色々あります。実際に着色してみて、自分のイメージ通りの発色をする紙を探してみましょう。紙の種類はかなり豊富です。きっと納得いく紙が見つかるはずです。