ペン先、と一言でいいましても、色々種類があります。

漫画家が使っている代表的なペン先と言えばGペンです。線の強弱がつけやすく、少年漫画など骨太な絵柄の作画に使われます。

Gペンはその名の通りペンの表面にGと刻印されています。描き心地は滑らかで、初心者でも比較的扱いやすいのが特徴です。

一方、少女漫画など線の細い絵柄では、丸ペンが多用されます。丸ペンはペンの後方部が筒状になっており、ペン軸も丸ペン専用のものがあります。

細くて華奢な線が描けますが、ある程度太い線も描けたりします。描き心地はやや硬く、力を入れ過ぎるとすぐ紙に引っかかります。

スクールペンというものもあります。均一な細めの線が描けるので、ロボットなどの直線的で硬いモノを描く時に使われます。描き心地も硬いです。

カブラペンはGペンと似ていて、線の強弱がつけやすく、扱いやすいペンです。描き心地は硬めで、Gペンより線の強弱が弱めです。

とりあえず持っていて損がないのがGペンと丸ペンです。Gペンが合わないという人はカブラペンでもいいです。

スクールペンも背景などに使うことがありますので、持っておけば安心、といったところです。

これらペン先にはメーカーによって多少の違いがあります。A社のは滑らかだったのにB社の同じ種類のペン先は硬い、といった具合です。

また、自分の絵柄によって主力になるペン先は違ってきます。Gペン一本で全てを描く人もいれば、顔などの輪郭はGペンで、髪などは丸ペンでペン入れする人もいます。

いずれも描き心地に慣れれば色々な効果を出せるので、一通り使ってみることをお勧めします。

まず初心者がつまづくのは、ペンの筆圧です。筆圧を強く描いてしまうと、途中でペン先が紙に引っかかったり、紙の表面が破れたりします。こうなるとインクがにじんでしまうので注意してください。

コツとしては押し付ける力を弱く、勢いでシュッと描くようにすればペン運びが滑らかになります。

あとはインクが乾いてしまったり、インクの量が少ないと当然ですが線がかすれます。かと言ってたっぷりつけるとダマになったり原稿がなかなか乾かなかったりします。

インクを付けた後、インク瓶の縁で二回ほどしごくと余計なインクが落ちます。適量のインクの加減も慣れれば徐々に分かってきます。

ペン先は最初油膜が張っているので、ライターなどで少しペン先を炙ってやるとインクが付きやすくなりますよ。

さらにペン先は消耗品です。描き心地が悪くなった、紙が引っかかりやすくなった、ペン先が曲がったなどした時は新しいペン先と交換してください。

もったいない気もしますが、描きづらいペン先で漫画を描くことはハッキリ言って苦行です。思い切って替えましょう。

また、ペン先を長期保有するのも良くありません。ペン先は金属ですので、あまりほったらかしていると錆びます。錆びたら当然使えません。捨てましょう。

ペン入れをするだけで、気分は漫画家です。上手くペンを扱えれば、更に気分が高まります。夢中になって寝食を忘れて漫画を描き続けるかもしれません。