もっと突っ込んで評価をもらいたい、という人は、直接編集部へ原稿を持ち込みするという手があります。もちろん、事前にアポは取っておいてください。

編集社の多くは東京に集中しているので、地方在住ならば持ち込みのためにわざわざ上京する人もいます。時には1社だけでなく、数社周ることだってあります。

それほど持ち込みというのは有益な評価を得ることができるのです。何といっても編集者の生の評価を拝聴できるのですから、どんなにボロクソに言われてもそれが改善点として自分自身の課題になります。

漫画の出来によっては、賞に回すと言われることもあります。初めての持ち込みでそこまでの完成度の原稿はないかもしれませんが、何度も作品を持ち込むと改良された点も指摘してもらえたりします。

デビューまで行かないものの芽が出そうな人には、担当者がつくこともあります。これは期待してもよいでしょう。自分の努力次第で、漫画家への道が開けるかもしれないのですから。

編集者は売れっ子になりそうな漫画家、または新人漫画家を常に探しています。漫画の人気=雑誌の部数=売れ行きに繋がるからです。

しかもその辺の読者よりも圧倒的に漫画に精通している編集者もなかにはいます。そのような編集者の言葉はしっかりメモしておきましょう。非常に参考になるはずです。

ただ、編集者も人ですから、自分の好みというものがあります。完成度は高いが好みでない漫画が来たときは、真剣に読んでくれないかもしれません。その時は運が悪かった、と思わざるをえません。

また、その編集部が担当している雑誌のカラーというものがあります。思いっきり硬派な少年漫画の編集部に、少女漫画を持ち込んでも門前払いですよね。

賞に応募する場合も持ち込む場合も、雑誌に合った絵柄やストーリーを考えましょう。自分の作風に合った雑誌に持ち込むのが正解です。

そのためには雑誌をいくつか買って、傾向と対策を練らねばなりません。せっかく良い漫画が描けても、編集者にハネられてしまえば意味がありません。

自分の漫画がどの雑誌に向いているか、もしデビューの芽があるならば、週刊誌か月刊誌か、少年漫画か少女漫画か、なにより面白いかどうか。

持ち込む前に自分が編集者になったつもりで読み返してみるのもアリですね。気が許せる友人に読んでもらって、編集者ばりに厳しく見てもらうのも心の準備になります。

編集者によりますが、かなりシビアに問題点を突っ込んできます。それは画力だったり構成力だったり、ストーリーそのものだったりします。

思いがけない問題点を指摘されることもあります。プロの目ならではですね。それだけ真剣に読んでくれているということです。

中にはチラとしか読まずにダメ出しをする編集者もいるようですが、諦めてはいけません。絵が魅力的でなかったのかもしれませんし、単に担当者がやる気がないだけかもしれません。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

前者の場合はもっと画力を上げる、後者の場合はなんとか最後まで読んでくれるように頼みこんでみてください。編集者との交渉も漫画家としての努めです。ちなみに、漫画家デビューしたら、編集者との意見のすり合わせの連続になります。良い漫画を描くために必要な打ち合わせです。