ストーリーと構成と構図を考える漫画家はすごいですよね。実際、漫画家の中には高学歴の人がいます。

学歴と漫画は直接関係ありませんが、頭の回転が速い=ストーリーを練るのが速い、知識が豊富=物語のネタが豊富である、といったことに繋がります。

手塚治虫先生は医師免許をお持ちでしたし、「神のみぞ知るセカイ」の若木民喜先生はなんと京都大学出身です。「星守る犬」の村上たかし先生も、中退ですが京都大学に在籍していました。

このように難関大学に入学する学力をお持ちの人は、人間ドラマを描くのが得意だったりします。また、物理法則などの説明も説得力があったりと、知識があるからこそ描けるものもあるのです。

もちろん大学に行っていない漫画家もいます。昔は13歳で漫画家になった人もいるほどです。ですから、学歴がないから漫画家になれないというわけではありません。

あくまで頭が良いとストーリーが練りこみやすいかも?というだけで、決して学歴が必要なわけではありません。むしろ、学歴から最も遠い世界が漫画界だとも言えます。

要は面白い漫画が描ければ、学歴も年齢も全く関係ないのです。在学中にデビューして、勉学と仕事を両立している漫画家もいます。

また、漫画は絵を描く仕事なので美大に進んだ方がいいという人もいますが、漫画と絵画は似て非なるもの。学んだ絵画の技術をどれだけ漫画絵に落とし込めるかが大事だったりします。

漫画の基本的なことを習得するならば、漫画コースのある学校、例えば専門学校に進んだ方が有利とも言えます。技術的なことを学べるので、独学で漫画を描くより遥かに短時間で習得できるはずです。

また、社会人になっても漫画を描き続け、デビューした人もいます。漫画に専念できない環境でも、どうにか時間を作って描き上げているのです。

そう、漫画家はどんな環境でも、何歳からでも描くことができます。それがプロ志向であれ、趣味であれ、描こうと思えばいつだって描き始めることができるのです。

漫画に専念したいなら、漫画家デビューするのが一番です。嫌でも漫画に集中せざる得ない環境になりますから。それまでの道のりが長いのですが…。

ただ、漫画家は映画やドラマで言えば、監督、脚本、演出、構成、カメラマンを全て一人でこなすのと同じ力量が必要です。こう書くと「漫画家ってスゲー大変!」と思いますよね。実際大変です。

ですから、生半可な知識や付け焼刃ではプロにはなれないのです。

漫画家は地道な作業です。コツコツ努力ができない人には向いていない世界とも言えます。勉強だってそうですよね。毎日何時間も机に向かって勉強する姿は、どこか漫画家と重なります。

漫画家になるから高学歴を目指す、という人はまずいないのではないでしょうか。勉強を頑張った結果が高学歴なだけで、頭の良い、もしくはコツコツ努力を実らせた人が進んだ道が、たまたま漫画家だった、というだけの話かもしれません。