ここまでして漫画を描く人は、絵が好きか同人誌を出しているか、プロになりたい人でしょう。漫画家デビューというのは漫画を描く人にとっては、夢でもあります。

最も手っ取り早いプロへの道は、漫画雑誌の賞に投稿することです。できれば、どのような点が悪かったのか評価シートを出してくれるところが理想です。次作への課題点になりますから。

大賞は取れなくても、小さい賞に選ばれるだけで今後のモチベーションにつながりますし、賞に落選してもまだレベルが達していないと自覚できます。

選考するのは漫画を何十作も見てきたプロの編集者です。賞に残ればプロの漫画家に自分の原稿を読んでもらうことだってあります。想像しただけでドキドキとワクワクが止まりませんよね。

しかしそこに至るまでには、膨大な応募漫画の中をくぐりぬけていかねばなりません。自分より絵が上手い人もいるでしょう。ストーリーが秀逸な人もいるでしょう。その中から頭抜けて目を引く要素がなければ、賞はおろか選考にも残りません。

トントン拍子でデビューに至るレベルの高い投稿者もゴロゴロいます。1度や2度の落選で心が折れていたらとてもじゃないけどやっていけません。石にかじりつく思いで投稿し続けましょう。

ペンを絶えず走らせ続けることは、自分にとって練習になりますし、規定ページ数に話を纏めることは、洗練されたプロットを生みだします。余計なものがそぎ落とされ、腕も上がるならば、何度でも落ちた方がよい、ともいえるかもしれません。

苦労して生み出した作品が認められないからと言って、ヤケになってもいいです。ヤケで描いたものが余計な力が抜けて良い感じにまとまることもあります。

ギャグ漫画家を目指す人はもっと過酷になるでしょう。読む分には面白いギャグ漫画ですが、新しいギャグやその時受け入れられるギャグを生み出すには、ストーリー漫画よりも労力を使うと言います。

ストーリーに絡めた小ネタを考えるのも大変ですよね。どこまでギャグを入れるか、シリアスな展開にしていくか、構成力が問われます。

「これは売れる!」「(良い意味で)やられた!」と編集者に思わせられれば勝ちです。漫画家デビューはもう目前です。

それでも全く選考に引っかからない人もいます。頑張って描いているのに、見向きもされないとガッカリしますよね。

努力して描いたのは他の人も同じです。そこにあるのはレベルの違いのみ。ましてプロになるには、さらなる努力が必要です。プロになってからもそれは続くでしょう。

時には酷評を受けるかもしれませんし、自分の描きたい漫画を描けないこともあります。自分が考えた漫画が、担当者の指示で別物になってしまうこともよくある話です。それでも漫画家としてデビューしてしまえばこちらのものです。

担当者が改変できないような、斬新で面白い漫画を生み出してみましょう。

漫画家デビューはゴールではなく、スタート地点です。そこからあなたの漫画生活が始まります。